Leathersmith Diary

「糸が太いのは拘りなんですよね？」

ここ数年、たまーにですが、同じようなお客様から尋ねられます。

ですよね？　と聞かれるくらいですから、どこかで聞いてきたのでしょう。

確かにレザースミスでは縫い糸が太いアイテムが多いですね。

ですが、コダワリではありません。

正確に言えば、これはコダワリにはなりません。
コダワリと言えば間違いになります。
理由は長くなるのでここでは書きません。


最近、拘りという言葉がバーゲンセールのようです。

お客様の大半は革について、多くを知りませんよね。
ということは、僕の話す言葉が全てになります。
僕の話す言葉が嘘か真か分からないということです。

僕がコダワリと言えば、それを鵜呑みにするしかありません。


お店で買ったアイテムはそのお客様は当たり前ですが、いろいろな場所に持って行きます。
そこで、嘘か真かが分かるかもしれません。

コダワリという言葉が単純なセールストークになってはいけません。
自身の自信の無さを隠す、ごまかす言葉になってはいけません。


コダワリとは本来、そんな軽い言葉ではないはずです。


僕がレザースミスを立ち上げた当初からずっと思っていることです。



店主　吉田